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4年前の記事再掲: 生存権のたたかい 新「人間裁判」

更新日:6月29日


2025年6月28日、「いのちのとりで」訴訟の最高裁判決が勝訴しました。

大切な判決です。



2021年の記事を再掲しました。写真は岡山県早島町にある「人間裁判」の朝日茂さんの碑、当時起きていた差別発言について。



ぷれジョブ🄬は生存権保障の活動です。

うまれたままの手つかずの状態INTEGRTYを第一に大切にする活動です。



「人間裁判」は司法の教科書にも必ず学ぶ有名な裁判。法律や憲法にかかわらない人にとっては初めてかもしれません。

25条生存権に実際の中身を盛った全国的な戦い、朝日茂さんが亡くなってからも裁判は引き継がれて、燎原の火のように日本中に拡がった運動。かつて日本にもありました。





福祉でもなく教育でもなく、就労支援ではなくキャリア教育ではなく、予防でもなく準備でもない。

ぷれジョブ🄬はともかさんの息で生まれました。そのともかさんが生きて居たのが「人間裁判の碑」の朝日茂さんの暮らしのかつてあった結核隔離病棟でした。ともかさんが亡くなつてから15年以上たったとき、朝日茂さんとのつながりに気がつきました。


遺伝子に人間の手が入り、生命の優劣を決めるようになり、発達という名前で到達度を決めて治す、治らない障害は手を入れる、それでも治らない障害は排除、ダウン症はアイスランドではすでに生まれません、政策で決められ、営利とする企業も顕われました。


新「人間裁判の時代」に入りました、と2012年仙台全国ぷれジョブ協議会立ち上げで皆さんにお話したことも思い出されます。



早島支援学校院内つくし病棟(元結核病棟の立ち並ぶ場所)のベッドサイドから朝日茂さんの戦いの息のあったところから始まった

「ひとにものを考えさせるジョブ」です。


西:ぷれジョブも自立支援に巻き込まれ続けた20年ですが、生存権保障、この立ち位置を守るためにお金をかけて名前を商標登録し、時間をかけて全国に話をしに行き、仕組みと趣旨は知的財産とし誰でもできるよう守っています。 それくらいしないとこの活動を守ってこれない新自由主義社会はますます加速しています。


お金を生むか生まないかでひとの価値を測る社会、それから降りる1時間をこの世に1時間おいてみる試みです。


NPO抱樸の記事に対して稲葉剛さんの投稿:【「自立支援」と生存権保障】 本筋からは外れますが、NPO法人抱樸の奥田知志さんの声明で、私が引っかかっているのは、下記の記述です。

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さらに「謝罪」動画においてホームレスの就労率のことに触れられていましたが、自立に向けた支援が必要であることは言うまでもありませんが、「頑張っているか、いないか」が命の価値づけの基準となってはいけません。自立支援という事柄と生存権や命の普遍的価値の事柄は別の事柄です。第一に命の普遍的価値が確立されなければ、自立支援は成立しません。これが逆転してしまう事態、すなわち「自立できる人だけ支える」ということになってはいけません。

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果たして、「自立支援という事柄と生存権や命の普遍的価値の事柄は別の事柄」と言い切れるのでしょうか。 この20年の動きを見ると、本来は「別の事柄」であるはずの2つが政府によってリンクさせられていることがよくわかります。

厚生労働省は「自立」とは「日常生活自立、社会生活自立、経済的自立」であるという「3つの自立論」を公式見解にしていますが、実際は、「自立」=「経済的自立」に切り縮めようとする動きが加速してきているのは、周知の事実です。

2013年には生活保護基準の過去最大の引下げという生存権の切下げと、生活困窮者自立支援法の制定がセットで行なわれました。

本来は、生存権保障が最優先され、その上で本人の権利として「3つの自立」の支援が行われるべきなのですが、それが「逆転」する政策が進められています。

こうした政策動向に、私たち民間の支援者も加担してしまったのではないか、という反省が私にはあります。

私自身は、2013年の生活困窮者自立支援法には生存権保障を後退しかねないという理由で反対しましたが、2002年のホームレス自立支援法には賛成の立場でロビー活動を行いました(奥田さんたちと一緒に議員まわりをしました)。

当時としては、野宿から抜け出すための支援策が一歩でも進めばという意識でしたが、小泉政権時代の日本社会を覆う「自立支援」イデオロギーを受け入れた上で、その枠内で改良をめざすしかないという諦念もありました。

その後、生存権保障よりも自立支援が優先するという政策が次々と打ち出されていきました。それは当然、社会の意識にも影響を与えたと思います。

「自立できる人だけ支える」仕組み作り、生存権保障よりも自立支援が優先される風潮に、民間で支援に取り組む私たちも加担してしまったのではないか。この20年間を振り返って、考え直したいと思います。

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