top of page

「あんぱん」を見るとき読んでほしい本          女たちの<銃後>加納実紀代著

更新日:5 日前

おすすめの本  

ぷれジョブを理解するとき読んでほしい本



毎朝、NHK「あんぱん」を見ているかたも多いかと思います。

戦前戦後を描いた「虎に翼」もよかったけれども、「あんぱん」の脚本家中園ミホさんの気持ちがとても伝わってきます。今伝えないと、という気持ち。


ちょうど「女たちの<銃後>」加納実紀代著 を読んたばかりでしたので、白いかっぽう着にどういう歴史があるかを詳しく学んだところでした。

今年は戦後80年、

その80年が81年へとすこしでも長く続きますようにと、祈らずにはおれません。



「あんぱん」

5月第4週そして来週も、白いかっぽう着の女たちが重要な役目をしたことがわかります。

今週は「愛国婦人会」のタスキをかけたインテリ層の女たちが登場しましたが、来週の予告にはもう「大日本婦人会」のタスキをかけた羽多子さん(ノブの母)が映っていました。


愛国婦人会、国防婦人会、聯合婦人会の3つが一色になっていく時代。

>こうして日本は国防色と白の軍団に先導されつつ、ひといろの世界への傾斜を深めていく。1930年代はじめ、泥沼にあえいだ人々にとっては、この傾斜は、都会と農村、金持ちと貧乏人、非インテリとインテリ、、、の〈平準化〉、つまり、<平等>の世界へ向けての進撃とも見えただろう。この〈平等〉が、やがて息ぐるしい〈画一化〉となって自らの上にも跳ね返ってくるおとに、多くの人々は、まだ気づいてはいなかった。(P46より)



軍という典型的なホモソーシャルな組織、抑圧された女が解放を体感する様子、軍を後ろ盾にする組織・階級を後ろ盾にする組織の権力争い、世間体、見栄、それらがどうかかわって「大日本婦人会」白一色になるのか、そのさまを資料から説明しています。戦前と今が同じにみえます。加納さんの本にぜひ今、触れてほしいです。


水曜日のNHKニュースーンで北村匠海くんが今この時代にこの作品を撮る覚悟を語っていました。「お涙ちょうだいの作品にはしないからな」と語って取り始めた監督さんや「戦争をこれでもかと描くつもり」と話した脚本家中園ミホさん、それに応えた演技をなさる役者さんたち。日本も世界もあとがない時代をいきているんだなと共有しました。



「女たちの<銃後>」加納実紀代著の帯には


>15年戦争下女たちは国防婦人会に解放と平等の夢をみた


>戦争という怪物はけっして最初からむきだしの戦争の顔はしていない。それどころか、〈平等〉や〈解放〉や〈生きがい〉(死にがい?)やで、人びとの心をくすぐりつつ、じわじわしのびこんでくる。

人々が戦争を実感したときは、もう遅いのだ。私が〈銃後史〉とのつきあいのなかで、いちばん感じたのはそのことだった。



裏表紙の帯
裏表紙の帯


大義を与えられ利用され胸を張ってしまった現在の女もまた権力の奴隷である。過去誤った戦争への道を支えたおんなが重なる。加納の本を読むと構造的な支配が良くわかる。抑圧された人間のルサンチマンを権力は巧妙に利用する。


障害のある子どもの母親は自身・夫・分離する学校・家父長的な空気の地域など生産性や効率を尊ぶ社会で最も抑圧されやすく「*奴隷の自由」に陥りやすい。いつの時代でも権力のふるまいは似ているから、白いかっぽう着から学ぶことは多い。女自らが決して考えないよう、構造的最高位に在るものが利用できるよう、今も障害の範疇を広げて母親人口を爆発的に拡大している。


地域から「だいじょうぶだよ」という近隣住民が近くに居る、その存在を知るだけ「欲望を抑える活動」がぷれジョブで、母親が冷静に1時間支配を外れることを提唱した。



しかし、人間の欲望はすさまじく、ぷれジョブと方法を欲しがる権力に対抗して、2003年方法を守る著作権・2009年から名前を守る商標権と取得して保護している。


理念を無視したり無断使用したりはできない。




*奴隷の自由  八木秋子のことば  民衆が権力の支配に慣れ、奴隷の服従を服従と意識しなくなった状態、いいかえれば人間の自由意志が完全に摩滅して苦痛を苦痛と知らぬ文字通り眠り込んだ状態

bottom of page