やなせライオン
- 西 幸代
- 6月6日
- 読了時間: 3分

朝ドラ「あんぱん」、時を得た、見たひとに深く考えさせるドラマですね。伝え方すごいなあ、エンタメがんばれ!と思います。
先週から「お国の役に立つこと」にまっすぐな時代の言論封殺を見せつけられます。
「愛國国防婦人会」はついに「大日本婦人会」に統合され、婦人会のラスボスきみえさんのたすきも変わりました。日本中の女が一つの白色で染まるなか、粋な帯留めと着物を召して最高の髪留めを着ける、たかしの母登美子さんが異彩を放ちます。
木曜日、喫茶店で「あなたは一番戦争にむかない子」といい
金曜日、壮行会で「生きて帰るのよ」という。
喫茶店では「母はこどもを傷つける天才」だといい、
出兵式では、一転して、愛のほんものをもらい口元だけで十分な返事を母に返した。
登美子は社会文脈に自分をあわせない、「自分」の美学で生きるから世間から外れる。
次郎さんの「カメラ」と登美子さんの「おしゃれ」。
我意識せず知らず知らずのうちに戦争を止めることにつながる「ほんとうに人間の仕事(真仕事)」とは、「役に立つ価値」より「役にたたない価値」。そういえば、「ぷれジョブとは『役にたたないことをしよう』という活動ですよ」と紹介したブログと思いだしました。
〇私の投稿
へぇ~ 石屋さんお向かいで実話だったのね。やなせライオン、アンパンマンの世界観そのもの。
こういうちいさい日常のお話が今やたまらなくいとおしい。
人間を支えているのは「役に立たないこと」だなぁと思う。ほんとスバラシイライオン。
〇國廣祥子さんのfb記事転載
讀賣新聞の「時代の証言者」という連載ものの過去記事に、やなせたかし先生の記事があります。
2005年2月28日の記事から抜粋。
伯父が医院をやっていた高知県南国市の実家は何年か前に更地にしました。だけど、昔からあったライオンの石像だけは壊さないで残しておいてもらった。
これは、僕が子供のころ、向かいの石屋さんが作ったものです。唐獅子の注文なのに、間違ってライオンを作っちゃった。それで引き取り手がなくなって、家の庭に置いてあったんです。
あまり出来がよくないから、早くコケでもはやして緑のライオンにしちゃえって、僕は弟と、米のとぎ汁を毎日かけていた。なかなかはえなかったけどね。
そのライオンを、母校の後免野田(ごめんのだ)小学校の子供たちが見つけて、学校にほしいと言ってきたんです。「やなせライオン」と名付けられて、2003年に校庭に移されました。
石屋さんが向かいにあったのは知らなかったので驚きました。
釜爺みたいな人が彫ったのでしょうか。
写真は聖地巡礼された方のX (旧Twitterから)
以上転載
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