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執筆者の写真西 幸代

息を吐く場所 与える場



神奈川県の一人暮らしでは、大きな声がアパートの二階に住む方の暮らしを遮るということを伺っていましたので、小諸事務所では声を思う存分発していただこうとお招きしました。

事務所の周りはおおむね空き家です。


2日間、声はやんだりはじまったり。

大坪さんが止める必要はなく、一矢さんは大きな声を出していました。

鳥みたいに、野獣みたいに、、。


一矢さん、息をはいているんだなあと思いました。

『吸うのではなく、吐いている』

人から奪うのではなく、与えていると思いました。

大きな声出していいよ!とみんなそんな気持ちで居ました。

どこを見て声出しているのかなあ、

見えない世界とつながっているんじゃないかなあ、

そうだ、見えて感じてる、、、


この場にいた全員がからだ全身で一矢さんの声交信するのを体験しました。




ぷれジョブの考え方と一矢さんの『吐くこと』が同じ。

ちょっと説明してみます。





ただ、1時間、それぞれができることを与えて豊かな場を作る。というとりくみ。


法人設立後は、ぷれジョブの場に皆さんから与贈いただき、息を吐く場を作り続けることが出来ています。今回、一矢さんをお迎えできたのも、多くの人の与贈から。ありがとうございます。



障害のある子どもが成人となり、その一生を地域に交じって暮らそうとするときに、国の責務として、自治体の責務として、サービスで動いてくれる人を増やす活動は暮らしを成り立たせるために必須だと思います。ぷれジョブはそれはプロに任せています。


お金をもらわなくても、小さい時から一緒に生きていて様子を知っていて、ときどき気にしてくれる人、チキ子さんが映画「道草」で言う「誰か知らないけどキャラメルもらって、ね。あとでわかったのよ」というゆるい優しい空気を町に作りたい活動です。


2018年倉敷市真備町で起きた水害のとき、彼女らの支援サービスはメデイアにも取り上げられた整った支援でした。この与贈による、ゆるいつながりがあれば、もしかしたら命を助けることができたかもと悔やまれます。助け来ず、最期は押し入れで…西日本豪雨でこぼれ落ちた障害者の命 | 毎日新聞 (mainichi.jp)



お金を生まない人を、そのまちに住む人たちがゆかいな意味づけをして、やさしく町の中でともにくらせるか。短期の生産性はなくとも、人類史のなかの生産性のある障害のある人。


見えない世界・根の世界と人はつながって生き延びれるか。

植物も動物もしていることが人間ができるかどうか。

そんな分岐点だと思いながら過ごしています。








今回、尾野一矢さんのおでかけ の取り組み、どんな与贈があったか、図にしてみました。










いのちは2重性。個としての命と、場としての命があります。

息を吐く・与えることで場に命を吹き込んでください。


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