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共創学会の聴講は11月30日締め切り(無料)


口頭セッションでぷれジョブ🄬の事例を紹介いたします。




『たいへんだけど,不幸じゃない たいへんだけど,面白い』 - 「家族機能」の社会化に向けたぷれジョブの実験 -    ○宮尾 彰1,西 幸代2,大塚 正之3

1 一般社団法人ぷれジョブ長野支部代表,2 一般社団法人ぷれジョブ 代表理事,3 一般社団法人ぷれジョブ 監事

Life is tough, but not miserable, rather enjoyable. - Our challenge for socialization of family function.-

○Akira Miyao1, Sachiyo Nishi2, Masayuki Otuka 3

1 General incorporated association pure-job director 2General incorporated association pure-job Chief director

3General incorporated association pure-job Auditor

概要:本稿では,障害のある子ども(小学5年~高校3年時を想定)を中心に置いた関係性の紡ぎ直しを通じて、顔の見える地域を多様性を許容する共創社会へと変容させる活動=ぷれジョブの基本的な理念を紹介する.その際,北九州地域で長年ホームレス支援を続けるNPO法人抱樸の実践との共鳴性を示す『対話』を叙述の軸に据える.

キーワード:拡大家族,「家族機能」の社会化,居住支援,脆弱性(バルネラビリティ)

Keywords: Expanded family Socialization of family function Housing support Vulnerability



1. 大会テーマ:「むきあう」

人が自己とむきあい、他者・世界のモノゴトにむきあい、その営みを探究する研究者もその場にむきあい、観察・記述し、論じ、そして内部から事を動かす。本年次大会では、こういう観点から共創を論じてみたい。

共創という営みは、参画する人たち(人だけではなくモノゴトも)が互いに特別の関係になってこそ成立する。特別の関係になったからこそわかることがある。「特別の関係」の典型例の一つは、二人称的な関わりである。そこには、「わたし」にとっての「他でもないあなた」の存在がある。「他でもないあなた」は、これまでの科学的方法論が是としてきた三人称的な(外部観測的な)関わり方だけでは見出し得ない、多様なモノゴトを見出す。

二人称的な関わりは各々の一人称世界を否定するものではなく、むしろ、一人称世界があってこそ存立し得る関係である。私たちは一人一人、一人称視点で世界を見て、感じて、行動する。その認知の底には一人称視点から見た世界と自己の関わりがある。

つまり、人は、周りの世界やそこで生きる他者に「全人称」的に関わり生きている。「全人称」という言葉は、一人称視点で世界や他者を見ること、二人称的に世界や他者に関わること、三人称的に世界や他者を観察することのすべてを含む。このような多様な視点を合わせ持って世界と関わることを、本大会では「むきあう」と表現することにする。

人が互いにむきあって初めて、豊かな関係が芽生え、共創の場となる。共創の成り立ちや場を研究する研究者も、研究対象にしかとむきあうことが求められる。客観的に外部から観測するという従来の手法だけでは、人と人の、人と場の、豊かな関係性にむきあうことは難しい。

研究者が研究対象にしかとむきあうための得策の一つは、場の内部の存在になることである。実践研究はまさにそれを目論む。共創の場を自らつくりだすことに参画しながら、場の成り立ちや性質を観察・記述し、そのデータをもとに共創を論じ、さらに新たな共創の姿を描く。そうやって「共創の学」が育っていく。

実践研究で重要なのは、内部からの観察・記述であろう。対象にむきあって生じる身体感覚は暗黙知に過ぎない。それを暗黙知のまま受け流すのではなく、むきあったからこそ感得できることを記述し、説得力ある形で論じて初めて「学」になる。

2.プログラム構成の概略

プログラムは、招待講演、口頭セッション、ラウンドテーブル(RT)セッションから構成します。

(1)招待講演

2日目の午前中に、招待講演2件とパネル討論(discussant2名)を行う予定です。

  • 招待講演者:佐伯胖 氏(田園調布学園大学大学院 人間学研究科 教授)

<演題>:二人称的関わりの始まりと広がり

アブストラクト:人が世界のヒトやモノと親密な(「二人称的」な)関わりを持つのは、「わたし」という一人称性から始まり、それが他者と「二人称的関わり」を経て次第に文化的実践の世界(「三人称的関わり」)に広がる事を、ヒューマン・インタフェース研究から発想した「ドーナツ論」から説く。さらに、乳幼児が他者や世界を「知る」過程としての「二人称的関わり」についてのヴァスデヴィ・レディの研究から多くの示唆をうけた過程を説明する。

  • 1970年米国ワシントン大学大学院心理学専攻博士課程を修了し、Ph. D. の学位を取得。1972年より東京理科大学理工学部助教授、東京大学教育学部助教授、同教授、大学院教育学研究科長・教育学部長を経て2000年に東京大学を停年退官、東京大学名誉教授となる。同年4月より青山学院大学文学部教育学科教授、同社会情報学部教授。2013年に青山学院大学を退職し、青山学院大学名誉教授となる。2012年より公益社団法人信濃教育会教育研究所所長。2015年より田園調布学園大学大学院人間学研究科子ども人間学専攻教授。CIEC(コンピュータ利用教育協議会)学会賞・功労賞、日本認知科学会フェロー、日本教育工学会名誉会員。

主な著書:


    • 『「学び」の構造』東洋館 1975年

    • 『イメージ化による知識と学習』 東洋館 1978年

    • 『認知科学の方法』(コレクション認知科学1)東京大学出版会 2007年

    • 『「きめ方」の論理』東京大学出版会 1980年 / ちくま学芸文庫 2018年

    • 『幼児教育へのいざない』東京大学出版会 2001年

    • (共著)『子どもを「人間としてみる」ということ』ミネルヴァ書房 2013年

    • (共著)『「子どもがケアする世界」をケアする』ミネルヴァ書房 2017年


  • 招待講演者:西村ユミ 氏(東京都立大学健康福祉学部・大学院人間健康科学研究科教授)

<演題>:フィールドワークにおける間身体性:看護実践を探求する方法

アブストラクト:医療現場における看護師たちの実践は、はっきり自覚されずに行われていることが多く、身体知として注目されている。この知は、彼らが患者の状態に、即時かつ持続的に応答することで生成される。発表者は、急性期病院での長期にわたるフィールドワークを通して、多様な看護実践を開示してきた。本講演では、看護師と共に動くフィールドワーカーの経験を、現象学を手がかりにして分析し、二重の「むきあい」を言語化してみたい。

  • 2000年に日本赤十字看護大学大学院看護学研究科博士後期課程を修了し、博士(看護学)の学位を取得。2015年に臨床実践の現象学会設立、主催及び第1回大会長。博士論文において、メルロ=ポンティの身体論を手がかりとした現象学的研究を行ったのを機に、前意識・前言語的な次元における〈身体〉固有の経験に関心をもち、植物状態患者と看護師との身体を介した交流、新人看護師の病いへの応答、経験を積んだ看護師たちの協働実践などを分析してきた。現在は、急性期病院とその周辺地域との協働・連携について、フィールドワークを通して探究している。

  • 主な著書:

    • 『看護師たちの現象学――協働実践の現場から』 青土社 2014年

    • 『看護実践の語り――言葉にならない営みを言葉にする』 新曜社 2016年

    • 『語りかける身体――看護ケアの現象学』 ゆみる出版 2001年 / 講談社学術文庫 2018年

    • 『急性期病院のエスノグラフィー――協働実践としての看護』 新曜社 2020年 など。


  • discussant:須永剛司 氏(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 特任教授)

    • GKインダストリアルデザイン研究所デザイナーをへて、筑波大学大学院芸術学研究科で認知科学に出会う。デザインと認知科学の学際領域として「人と道具の知的かかわり合い:わかる形のデザイン」研究を展開。1987年に学術博士の学位を取得。1989年より多摩美術大学と日本デザイン学会を拠点に、ソフトウエアデザインのための「わかること/学ぶことを形づくる」デザイン教育プログラムを開発。米スタンフォード大学HCIプログラム参加に力をもらい、1998年多摩美大に情報デザイン学科を設立。2013-18年は京都大学デザインスクールプログラムづくりに参画。2019年に東京芸術大学を退任。現在は、社会を形づくるデザインのあり方と、行うことと知ることを合わせもつ学術としてのデザイン学を探究中。

    • 「共創」に関連の深い代表的な著書:

    • 『デザインの知恵:情報デザインから社会のかたちづくりへ』フィルムアート社 2019年


  • discussant:桑原知子 氏(京都大学名誉教授・放送大学教授)

    • 1987年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程を修了し、京都大学教育学博士(博士論文のテーマは『人格の二面性について』)。姫路独協大学講師・助教授、京都大学助教授を経て、1999年4月より京都大学教授。2020年に京都大学を定年退職、京都大学名誉教授となる。2020年4月より、放送大学教授。臨床心理士・公認心理士。専門分野は、臨床心理学・人格心理学で、個人療法を基本にしつつ、教育、司法、医療、産業など、さまざまな場でおこる「心」の問題にかかわっている。2019年、箱庭療法学会学会賞受賞。

    • 「共創」に関連の深い代表的な著書:

    • 『教室で生かすカウンセリング・アプローチ』日本評論社 2016年






(2)口頭セッション

各セッションに一つの会議URLを事前に割り当て、会議参加者に開示します。座長がそのURLのホストとなります。発表者がプレゼン資料を画面共有する形で研究を紹介した後、質疑応答の時間に移行します。質疑応答の場は座長が取り仕切ります。

口頭セッションはシングルセッションを目論んでいます(プログラム構成の制約上、約15件を想定)。口頭セッションの発表申し込みでは、研究内容と大会テーマ「むきあう」の関係が示されることを期待します。


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