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《再録》【夏が逝く】(初出:2022年9月3日)

 「浮田要三と『きりん』の世界」展も会期を残すところ一月となりました。そこで、私がSNSで今回の展覧会について認めた記事を、このブログに再録させていただきます。


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 いろいろな出来事があり、いくつかの出会いがあり、いまさらの気づきがあり、この夏も逝こうとしています。

 9月17日の土曜日、展覧会「浮田要三と『きりん』の世界」が始まります。

 松原湖と八ヶ岳を擁する、風光明媚な小海町高原美術館にて。

 展覧会を記念したリーフレットの編集に、春以来の半年をかけました。かつて、浮田要三が14年間続けた営為(『きりん』の編集)にわずかながら触れる、私にとって貴重な経験でした。

 最終校正を終えたゲラ刷りの表紙が、立派な「特厚口」で届きましたが、私はそれを少し薄手の紙に換えてもらいました。

 折れたり破れたりしなさそうな厚紙を、少し心配なあやうさを含んだ紙に落としてほしい、という私の注文を、印刷会社の社長は黙って容れてくれました。

 人間が人間に近づくのに、生死の境は思っているほど障壁にはならないのかも知れません。期せずして自分自身を見出すための時間を与えられたと感じています。ありがたいことです。

 リーフレットの表紙は、美術館にお越しになってのお楽しみ。

若き浮田要三の師で『具体』の創設者であった吉原治良も愛した「壁のしみ」をデザインしたものです。


              今となっては懐かしい最終校正 


       リーフレットの表紙になったアトリエの壁のしみ(宮尾撮影)


◎10月30日14時~平井章一先生の記念講演「浮田さんとその作品」が開催されます。

 『具体』研究の第一人者で、生前の浮田さんとも深く交わられた先生からしかお聴きでき 

 ない貴重なお話です。どうぞ、ふるってご参加ください。【入館料のみ参加無料】

                            (2022年10月18日)  

                         


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